阪急電車2300系製作雑感
切るべし!切るべし!切るべし
今回はペパクラ電車の中でも難物といわれるぺーぱーかめら様の設計になる阪急電車2300系に挑戦してみました。
この作品は部品点数約800点の超精密モデルです。
作業は本体、パンタグラフ、台車と難関が続きます。
縁の下の力持ち
本体床ですが、私が普通に作るとひずみがでてきます。私は邪道ですが、中に3ミリのベニヤ板を入れてしまいました。オリジナルは補強用のリブを入れるようになっていました。でもこれでベースは万全です。木は紙の原料ですから大きな意味でのペーパーモデルといってもいいでしょう(牽強付会)。
つり革にはリキをいれました
このモデルの特徴は車内造形にあります。シートやつり革などがきちんと作りこまれており、私はつり革が作りたくてこのモデルを選びました。オリジナルは片面ですが、私は両面張りあわせにしました。 虫ピンで表裏の画像をぴったり重なるように貼り合せて切っていきます。吊り輪の内部は0.5ミリのドリルで開けましたが、予想通りケバがたち思い通りにはなりませんでした。現在ちいさなバネを切って吊り輪を作れないか検討中です。
広告も本物と同じ挟み込みです
広告も、薄い紙を広告に見立て、両側から挟むようにしました。あとでお分かりのように、不器用なため全体の造作はかなり雑ですが、この辺は妙に凝ったりします。
本体外周部の作成
車体の側面は5枚重ねです。窓ガラス層、自動ドア層と貼り重ねてゆきます。ドアの周りのくりぬきは切断面を同系色のクレヨンで塗りました。違和感なく凹凸が出てきたようです。
本体外周部その2
オリジナルでは先に車体外周部を組み立てて、数層の内壁貼りあわせを行っていますが、私は窓やドアなどをぴったりと合わせる自信がなかったので、各側面だけ組み立てて、最後に床や正面部と合わせることにしました。このため、張り合わせた側面部をカッターで一部開いて、正面部や後部ののりしろを差し込んでいます。この辺はまだまだ余裕です。
そろそろボロがでてきます
厚手のケント紙を使用したため、何層にも重ねると随所で不突合が出ます。車体正面と床部分を接合すると床がはみ出てしまいました。車体正面はすでに3層を接着しており、調整は不可能であったため、熟慮の結果、リュ−ターで正面部内側を削ってなんとか体面を保ちました。このリューター(秘密兵器1号)は車輪の造形にも一役買うことになりました。
運転席実装
運転席は小型部品の集積です。私自身電車の運転席はほとんど見たことがありません。 私のローカル鉄道はディーゼル車の単線ですので何の参考にもなりません。 ハンドルのロッドが折れてしまったので急遽余白の紙で作りました。マジックで塗っています。
写真が視野狭窄なのはレンズの前にルーペを使った鏡胴(秘密兵器2号)を置いて倍率を稼いでいるためです。光源はUSB端子から5Vを引いて発光ダイオードを使っています。なにげにルーペがビクセンのちょっと高級品だったりします。
内装の座席シート、背もたれ等の作成
座席など小さな箱物はあらかじめ組み立てて、開かないように薄手の紙で補強しておきます。こうすると壁や床に押し付けながら形を整えるより楽です。
鉄板の縁を使って折り目をつけています
折り線はボールペン派とハーフカット派があるそうですが、私はハーフカット派です。折れ目がきちんと出ますし、そこで印刷面が切れてしまうのは仕方ないと思っています。
きちんと折るために、私は建築金物の板金(秘密兵器3号)を使っています。エッジの角度が直角のため、定規のエッジを使うより鋭角的に折れるような気がします。特に今回は厚手の紙でしたので重宝しました。1枚75円でした。
箱物は1ヶ所で固定しておいて折り込む
箱物を固定させる場合、押し付けたときに形が崩れたり場所がずれたりします。
私は箱の一箇所だけを固着させて、完全についてから残りの3面をつけています。こうすると位置ずれがありませんし、きれいにできるような気がします。
気力があるときに切り抜くことにしているので、裏に番号をつけておかないとわけがわからなくなります。小さな部品は付箋紙にくっつけたり、メモと一緒にナイロンの小袋に入れておいたりします。
くりぬきは切り落とす前にしておくとよれたり破れたりしません
パンタグラフの作業は思ったより楽でした。部品を組み立てるのは一苦労でしたが取り付けは屋根の上だけあって慎重にすればきっちりとできます。しかし、容易に技量を見抜かれる場所でもあります。
部品が細かいため、矩形の部品が台形になってしまっています。私は紙の厚さのせいであるといいはっております。
傾斜にあわせて左右の部品が違う場合があるので拙速は避けなければなりません。 くりぬく部品はあらかじめ切り取っておかないと変に力が入ったときに破れてしまう恐れがあります。
小さな部品の重ね合わせも切り落とす前にしておくと便利
パンタグラフの絶縁碍子は小さな部品の二枚重ねです。大きいほうを切り取る前に貼り付けて起きます。こうするとなくすこともなく安全です。小さな部品は彫刻刀で打ち抜くと楽です。
長さによりパネルカッター(替刃式)(秘密兵器4号)を使うと便利です。写真は手製のものです。
屋根部品の装着
屋根の中にちょうど定規が入りました。これで部品を押し付けてもへこみませんでした。
パンタグラフ完成
パンタグラフは微小部品の集合体で、厚手のケント紙ではひずみの集合体となってしまいました。しかしこの難事業は次から始まる台車の序章に過ぎませんでした。
またしてもリューターでぼろ隠し
まず、車輪です。6枚のうち5枚は同径ですから筒になるはずですが、がたがたです。 そこでリューターを使って形を整えてやります。技量不足を機械に頼るのはどこの世界でも同じです。
微小部品は気力のあるうちに作っておく
マッチの軸よりも小さい部品を作らなくてはなりません。マッチを削ってやろうかと本気で思いました。
手が2本では足りない場合に万力(秘密兵器5号)を使いました。ダブルクリップなどと違い力加減ができて便利です。
台車軸受けの作成
軸受け部分です。4個の部品が集まってできています。1円玉と比べてください。
台車の作成その1
フレームを作ります。またしても歪んでしまいましたが、部品をつけながら徐々に修正していきました。
この頃から回転台(秘密兵器6号)を使用しました。切り抜き速度がかなりあがったように思います。特に丸いものはナイフを動かさず、紙のほうを回して切ることができるので一気に切り抜けます。車輪のときに使えばリューターはいらなかったかも。
 この回転台は台所用のもの(調味料置きかも)にカッティングマットを組み込んだだけです。
台車の作成その2
モーターやギアボックスを取り付けていきます。ここでの注意点は車軸は車輪を貫通していないということです。1本に見える車軸は実は3本の部品でできています。強度が必要ですので、私は虫ピンで固定しておいて他の部品の接着等を行いました。爪楊枝では太すぎて使えません。
つぶさないように注意して順次、部品をくみ上げて台車の完成です。ここまでくれば頂上に手をかけたも同然です。一晩ゆっくりして最後の仕上げをしましょう。
床下部の完成
床下の箱物とはしごなど小部品を組み上げます。連結器が最後の難物です。
ついに完成!
せっかくの車内の造作にふたをしてしまうのが惜しいので、カットモデルにしました。これで運転席も公開できます。決して車体と屋根部分がずれてしまうためカットモデルにしたのではありません。
屋根をはずすとき映画「ハンニバル」を思い出してしまいます。
拙い製作記事ですが、これから作られる皆様の参考になることがあれば幸いです。また長い時間楽しませていただきました「ぺーぱーかめら」様にお礼を申し上げます。
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